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専門家が説く組織のデジタル化。島から連邦へと成長する「3つのステージ」

AIの活用で業務のデジタル化を進めたい。でも、部署レベルでは成果を上げても全社規模まで広がらず、尻すぼみになることもままあります。どうすれば組織全体の変革につなげられるのでしょうか。

AIやデータ分析が専門のAmit Joshi IMD教授は、この難しい問題を、3つの成長段階で整理し、段階ごとに必要な取り組みを提唱しています。

3月に来日したJoshi教授によるセミナー「何故、大手企業のAI活用は上手く行かないのか?」(IMD・IT協会・DBIC共催)から、その概要を一部ご紹介します。

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Joshi:まず、私たちが同じ言葉で話しているかどうかを確認しましょう。AIは「機械学習」という意味ですが、これは数学的なアルゴリズムと、非常に高い計算能力、そして物事の組み合わせに過ぎず、新しいものでも、魔法みたいなものでもありません。

どの企業も、似たようなアルゴリズムを使っています。クラウドを使えばアマゾン並みの計算能力も手に入ります。でもそれだけで、ビジネスがうまくいくわけがありません。

「AIで稼ぐ」にはどうしたらいいのでしょう。ここで、組織がAIを使ってスケールアップする3つのステージを紹介します=下図。

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Joshi:大半は「Islands of Experimentaion」(IoE)から始まります。それぞれのグループで試行錯誤する期間を経て、組織横断型の中核専門部署(センター)が設置される「Center of Exellence」(CoE)に移ります。頂点は「Federation of Expertise(FoE=専門性の連邦国家)。ここまで到達できるのは簡単ではありませんが、CoEの理想の状態が組み合わさった状態です。

IoE:組織に浮かぶ「実験の島々」

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Joshi:IoEとは、事業部ごとにマルチタスクをこなしているような状態です。組織の多くはこうした状態から出発します。地域や市場、事業ごとに課題を解決する小さなチームが生まれています。課題に近い分、素早く対応できるという利点もあります。

CoE:点在する「島々」を集め「中央」に一元化

ただ、こうしたチームが連携しないままバラバラに動いていては非効率です。ある部署で、顧客とのつながりをサポートするツールを開発しても、ツールの在りかが分からなければ作り直さなければなりません。そこで「島」を一元化し「センター」を作る段階に移ります=下図。

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CoEはさらに専門化され、分析・AIのソリューション構築など、沢山の依頼を受けることになるでしょう。より多くのリソースを使い、より洗練されたツールやパワーを購入できるかもしれません。その結果、より複雑な問題を解決できるようになり、よりクリエイティブなものをつくれるようになります。収益にも影響が表れてくるようになるでしょう。

FoE:「専門性の連邦国家」という到達点

CoEから、「連邦」(FoE)の段階に入って来ました。

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この段階に到達した組織は、CoEとIoEの利点をうまく組み入れています。連邦政府は大きく複雑な課題にあたり、州政府はニーズをもとに、センターから持ってきたものを好きなようにカスタマイズできます。

FoEでは、コーポレート部門からの資金で、常設の中央管理部署が設けられています。社内の膨大なデータを集め、ソフトウェア製品やBI製品も作ることができます。各部門の責任者はデータの分析能力を身に着けていて、各担当レベルにもそれぞれの独自データがあります。

人事部には独自の人事スコア分析チームがあり、財務部門には独自の取引所があり、マーケティング部門にはいくつかの取引所がある。こうした各部署の取り組みはすべて中核部署とつながっています。ただ、この段階になるには、多くの資金や複雑な管理が必要です。P&Gのような大企業だけが実現できるものです。

IoEからIoCへの飛躍:なぜやるか?なにをするべきか

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なぜCoEに移る必要があるのか。IoEの段階では、「島々」や「実験場」で効果が出ても、他に波及するようなベストプラクティスが共有できないからです。

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変化に柔軟に即応できるアジャイルでありたいとは誰もが思っています。ただ、AIを組織に導入するには、即応性より効率化を優先させる必要があります。

2番目、適切な組織の構築も非常に重要です。CoEの部署を実行部門の下に配置する方法もあります。大手企業での理想のかたちは、営業やマーケティングなど、CoEをよく使う部門と一緒に配置することです。

ミスマッチをなくすために、KPIの共有も大事です。データ担当者がAIを使いこなし、現場の人々が使い方や製品を意識する必要があります。そのためには、CoEと各部署のKPIのズレをなくすことです。

私が関わった企業では、自社で活用しているAIツールは改善されたものの、部署の連携がされず、使われていませんでした。各部署のKPIにそのツールを使ったコスト削減額を盛り込むことで、部署間で協力しながらツールの活用を進めました。

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