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IMD教授陣が一斉来日:日本とのつながりを深めた一週間

IMDの知と絆が、日本の春に花開いた一週間でした。

4月21日の週、IMDの教授6名が一斉に東京に集結。イースター休暇後で欧州の活動が比較的落ち着く時期とはいえ、これだけ多くの教授が同時に訪日するのは極めて稀なことであり、IMDにとっての日本の重要性、そして日本におけるIMDの存在感の高まりを象徴する出来事となりました。 

まず、ある大手素材メーカーのグローバルな部長クラスを対象としたカスタマイズプログラムの開催のため、リーダーシップ領域を専門としプログラム全体を統括するヘザー・リー=ケアンズ教授と、国際戦略を専門とするニッコロ・ピッサーニ教授が来日。プログラムを通じて、参加者だけでなく同社経営トップ層とも実践的かつ深い対話を重ね、同社の今後の成長に向けた新たな視座を提供しました。 

サステナビリティを企業戦略の中核に据える研究を推進するゴータム・チャラガラ教授とフレデリック・ダルサス教授は、その活動を支援する電通グループとの協議のために来日。3日間連続で行われた対話を通じて、両者の連携の意義が一層明確になりました。両教授による共著書は、2026年初頭にハーバード・ビジネス・スクール・パブリッシングより世界発売予定ですが、電通との連携はその知見を現実社会に実装していく上での重要な土台となりそうです。 

経営幹部にとってのキャリアの大きな転機である「CXOへの昇進」というテーマを軸に、日本企業との率直な意見交換を目的として、リック・ロイ教授も来日。多くの企業との間で、リーダー育成のあり方や直面する課題について、現場感覚に基づいた実践的な議論が行われました。 

また今回、リーダーシップ研究と教育の世界的第一人者のひとりであるマイケル・ワトキンス教授も、家族と共に長年の夢であった日本訪問を果たしました。子どもの頃に柔道を学んでいた同教授には、弓道や禅といった伝統文化を体験してもらいました。こうした体験をきっかけに、彼は生成AI時代における「道(どう)」の意義について考察を深めており、日本文化からの学びをグローバルな知に昇華しようとしています。 

こうした教授陣の訪日が、様々なステークホルダーにとって最も実りあるものとなるよう、IMD北東アジア代表の高津尚志と、カントリー・アソシエイト・ディレクター(日本)の宮林隆吉が企画・調整を担いました。 

4月21日(月)夜には、IMD Alumni Club of Japan主催のもと、教授陣を含む約60名が屋形船に集い、東京湾の夜景と和食を楽しみながら、和やかでカジュアルな交流の時間を過ごしました。こうしたインフォーマルな場だからこそ生まれる深い会話や新たなつながりに、IMDが育んできた「生涯学習の共同体(Lifelong Learning Community)」としての絆の強さを改めて実感するひとときとなりました。 

この週には他にも、産官学のリーダー約70名が参加した「Strategy Boot Camp」も開催されました(詳細は別記事にてご紹介いたします)。単なる知見の提供にとどまらず、参加者同士が立場を越えて意見を交わし、学び合う場として大きな意味を持ちました。懇親会では活発な交流が続き、時間切れを惜しむ声も多く聞かれました。 

今後は、スイスを拠点とする佐々木千夏も含め、IMD Team Japanとして今回生まれたご縁を大切に育んでまいります。日本の産官学のリーダーが互いに深くつながり、世界とも結びつくことで、より持続可能で包摂的、そして豊かな社会の実現に向けて歩んでいく――その歩みに、私たちIMD Team Japanも微力ながら貢献してまいります。 

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4月24日戦略ブートキャンプにて