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未来を描き直す学び ~ IMDオンラインプログラム『Inspirational Leadership』受講体験談~

IMD日本市場アソシエイト・ディレクター宮林隆吉

IMDが提供する「Inspirational Leadership」は、ジョージ・コーリーザー教授がプログラムディレクターを務める8週間のオンラインプログラム。

ジョージ・コーリーザー教授( George Kohlrieser )は、数々の危機交渉に携わった元人質交渉人というユニークなバックグラウンドを持ち、その経験をもとに「Secure Base Leadership(セキュアベース・リーダーシップ)」という概念を提唱しています。このリーダーシップモデルは、「安全・信頼」を基盤としながらも、メンバーに挑戦を促すことで成長を支援するというものです。日本語でも『セキュアベース・リーダーシップ:<思いやり>と<挑戦>で限界を超えさせる』(プレジデント社)として出版され、多くのビジネスリーダーに影響を与えてきました。

プログラムの概要

  • 自己認識の向上:360°フィードバックレポートを通じて、自身のリーダーシップスタイルや強み・弱みを把握。
  • コーチングスキルの習得:チームメンバーの潜在能力を引き出すための効果的なコーチング技術を学習。
  • 対立のマネジメント:困難な会話や対立状況に対処するための実践的な戦略を習得。
  • レジリエンスの育成:ストレスや障害に対処するためのツールと戦略を獲得。
  • 関係構築:チームとの強固な絆を築き、高いパフォーマンス文化を形成。

対象者:チーム管理経験のあるシニアエグゼクティブや、より大きなリーダーシップ責任を担う予定のミドルマネージャーに最適です。

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ここからはQ&A形式で本プログラムの魅力について掘り下げていきます。

なぜこのプログラムに参加しましたか?

「Inspirational Leadership」は、IMDのオンラインコースの中でも長い歴史を誇るフラッグシッププログラムです。私は自分自身のリーダーシップスタイルを深く内省する場とすると同時に、IMDと他社のオンラインプログラムの違いを実体験を通じて理解したいと考えました。そのうえで、得られた学びを自分の言葉でお客様に伝えられるようになることを目的に参加しました。

このプログラムを通じでどのような気づきや学びがありましたか?

最も大きな学びは、セオリーを学ぶことと、それを実践に落とし込むことの両輪の重要性です。野心的なビジネスパーソンにとって、机上の知識だけでは十分ではありません。

例えばリーダーシップ開発においては、セルフアウェアネス(自己認識)を高めることが不可欠だとよく言われます。本プログラムでは、その実現のために理論的なフレームワークのインプットに加え、360度評価やチーム内でのフィードバックの収集といった具体的な行動指針が提示されます。

さらに、コーチが伴走することで内省の機会が与えられ、学びを「知識」で終わらせず「血肉化」できるように設計されています。これは一般的なオンラインプログラムでは得がたい、大きな価値だと感じています。

プログラム修了後、ご自身・目標・リーダーシップにどのような変化や気づきがありましたか?

プログラムを通じて、自分自身の長期的なビジョンの解像度が高まり、将来ありたい自己像を更新できたと感じています。今と未来とのギャップが明確になったことで、それを埋めようとする行動が自然と加速し、その過程で得られる学びを脳がフル回転で吸収していくような感覚がありました。

抽象的な表現になりますが、まず「自分がどうありたいか」を明確にすることが、行動の原動力となり、結果としてリーダーシップが最も発揮しやすい状態を生み出す——この点に大きな気づきを得られたことが、今回のプログラムの最大の成果だと考えています。

未来のリーダーに求められる資質は、これまでと大きく変わると思いますか?

リーダーシップとは本質的に「関係性の産物」だと考えています。つまり、周囲のフォロワーがどのようなリーダーを受け入れるかによって、その姿は形づくられていく。つまり未来が変化し続ける限り、リーダーに求められる資質もまた大きく変わっていくのは必然です。

例えば、複雑な状況に「正解」を提示することが価値を持っていた時代には、明快なビジョンを打ち出す力がリーダーの資質でした。しかし、不確実性が増し未来が予測できない時代においては、学習と変容をスピーディーに繰り返しながら「新しい問いを立てられる起業家的なリーダー」にこそ注目が集まるのではないでしょうか。

その意味で、未来のリーダーには自己像の変革を厭わない「起業家的リーダーシップ(Entrepreneurial Leadership)」が必要だと感じています。

最後に一言

本プログラムは、単に理論を学ぶ場ではなく、参加者一人ひとりが実際のリーダーシップのあり方を問い直し、未来に向けた変革を実感できる学びの場です。

自身のリーダーシップを次の段階に引き上げたいと考える方、あるいは組織の将来を担う人材育成を検討されている方にとって、有意義な機会となるはずです。

プログラムの詳細はこちらから

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Dr. Ryukichi Miyabayashi